2022/08/05 18:12


精製方法とは、収穫したコーヒーチェリーを生豆として出荷する為に用いられる処理方法の事で、それぞれの地域によって様々な方法で行われています。
ここでは、それぞれの精製方法について解説していきます。
まず一般的な精製方法として、ナチュラルとウォッシュドが挙げられます。

ナチュラル(乾式)は、収穫したコーヒーチェリーをコンクリートの上などに広げ、天日乾燥させる事で水分を減らし脱穀するという極めてシンプルな精製方法になりますが、収穫期から乾燥するまでの期間雨が降らない気候条件が整っていないとできない精製方法となり、主に水源の乏しい地域で行われています。また、コーヒーチェリーを広げて乾燥させる為の広さが求められます。

ウォッシュド(水洗式)は、収穫したコーヒーチェリーをプールに入れ撹拌し、コーヒーチェリーの皮と実の部分(ミューシレージ)を取り除いた上で乾燥させる方法です。
水が豊富な地域で行われる精製方法で、プールに入れて攪拌する事で幾つかのの欠点豆を取り除く事ができ、豆以外の成分(皮や果肉)が取り除かれる事で品質のバラツキがなくなる生豆を作る事ができ、結果すっきりとした味わいのコーヒー豆に仕上がります。

ハニー(パルプドナチュラル)は、収穫したコーヒーチェリーの皮を剥き、ミューシレージ(実の部分)を残したまま天日乾燥する事で、実の持つ成分をコーヒー豆に吸収させるという精製方法になります。
豆本来の味わい+実の味を楽しむ事ができるコーヒー豆を作る事ができますが、それぞれの農家によって、そのクオリティーにバラツキが発生します。また、腐敗の恐れもある為精製作業に注意が必要となります。

スマトラ式は、スマトラ島の気候問題が大きく影響した為出来上がった精製方法です。スマトラ島はナチュラル製法を行う程雨が少ないわけでも、広大な土地があるわけでもなく、かといってウォッシュドを行ったとしてもコーヒーチェリーの収穫時期が雨季と重なる為、長時間乾燥させることができず、本来皮を剥いた後天日乾燥にかかる時間を大幅に削減し、半渇きの状態でパーチメントと呼ばれる皮を剥き、乾燥工程へと進む為、生豆が非常に緑色の濃い状態になっています。
その結果、他では味わえない独特な味わいのコーヒーになりました。

ワイニーとは、コーヒーチェリーを発酵させることで、ワインのような独特なフレーバーを持つコーヒーチェリーに仕上げる精製方法ですが、決まった規格があるわけではないので各農園によって品質の違いが起きます。

アナエロビックとは、近年流行りだした精製方法で、嫌気性発酵とも呼ばれ、無酸素状態下で発酵させる事で酸化することなく独特な発酵フレーバーを持つコーヒー豆に仕上がります。

樽詰めとは、ワイン樽やウィスキー樽に生豆を入れておくことで、樽由来の香りを生豆に吸着させるいわゆるフレーバーコーヒーになります。

上記のように、それぞれのコーヒー農園では様々な取り組みがなされています。